前回の記事では台湾の現役木造駅舎を紹介しましたが、
今回は駅としての役目を終え、保存されている駅舎を紹介します。
この木造駅舎は西部幹線(縦貫線)の旧七堵駅のもので
縦貫線が全通した直後に台湾ヒノキで建てられた100年以上の歴史を有する駅舎です。
現在は七堵駅の機能は新駅舎移り、保存駅舎となっています。
駅舎は移築して保存されており、その一帯は「七堵鐡道公園」として整備されています。
駅舎の裏側から見てみると瓦屋根が一際目を引きます。
この駅舎も天井裏に小窓が設けられています。
屋内に入ってみると元出札窓口の上部に土壁の内部構造が解説されていました。
天井を見上げると中央に開口部が設けられ、屋根裏の構造も観察出来るよう工夫されています。
駅舎の正面から見ると奥には線路とプラットホームが。
このプラットホームは往年の雰囲気を再現するもので、
ホーム上には鉄道小荷物の箱や鉄道郵便の郵袋を模したオブジェが据えられています。
こちらが七堵駅の現駅舎。2007年から使用開始したそうです。
七堵駅に隣接する車庫には台湾初の通勤形電車EMU400形の姿がありました。
移動の合間に七堵のホームでしばし撮影...
駅に進入する彰化行きの273次普悠瑪TEMU2000形
今度は逆方向で台東行きの432次普悠瑪
停車駅が少ない速達タイプの列車で七堵も通過します。
台湾南部の潮州へ向かう175次自強号
普悠瑪に比べ速度は若干劣るものの長編成が魅力のE1000型が充当されます。
七堵から区間車に揺られ八堵にやって来ました。
ここは西部幹線(基隆方面)と東部幹線(宜蘭・台東方面)の分岐駅となっています。
写真の左奥が基隆方面、右にカーブしていく線路が宜蘭方面です。
今でこそ自強号等が頻繁に走る宜蘭方面ですが、
西部幹線の方が先に建設されたため八堵から直線的な線形になっています。
東部幹線のホームは相対式、西部幹線は島式ホームとなっています。
八堵を発車する花蓮行きの172次自強号
八堵にいる間に車掌車を繋いだ無蓋貨車がゆっくりと通過していきました。
こうした貨物列車は日本でほとんど見ることが出来なくなった類の列車ですが、
台湾では今も日常の風景として見ることが出来ます。