2015年11月1日日曜日

新旧交代、紀の国特急

10月30日をもって「くろしお」運用を退いた381系
その最後の活躍を見届けるべく最後の日曜日と最終日に沿線を巡って来ました。

日曜日は和歌山県北部で撮影
下津付近でみかん畑が斜面に見える山をバックに381系パノラマ車を捉えました。

初島付近に移動して223系の普通列車を撮影

普通列車から程なくして新宮行きの「くろしお」13号が駆け抜けて行きました。

夕方は藤並~紀伊宮原間の有田川橋梁で撮影
タイミング良く橋梁上で381系同士がすれ違いを見せるシーンを撮ることが出来ました。

有田川から帰る途中にみかん畑の山をバックに225系のサイドを捉えました。

運転最終日は大阪市内で撮影
梅田スカイビルの下、9両に増結した「くろしお」3号が梅田貨物線を往く 

最後は東淀川で京都始発白浜行きの「くろしお」7号を撮影

慣れ親しんだ「くろしお」のトレインマークも見納めになります。

381系通過待ちの間、不意に289系の回送が通過していきました。
かつて北陸特急のエースだったこの車両がこれからは紀の国特急の一翼を担います。

2015年10月28日水曜日

幕を下ろす国鉄特急色

10月30日の381系「くろしお」撤退と同時に
現在福知山線で活躍している国鉄特急色の381系「こうのとり」運用から撤退します。
国鉄特急色で走る「こうのとり」の最後を見届けるべく福知山線を訪れてきました。

手始めに柏原~石生間の陸橋から「こうのとり」14号を撮影
381系特有のスッキリとした屋根上がよく分かります。

続いて黒井~市島間の田園地帯で381系を待ちます。

従来から「新型車両」として「こうのとり」に使用されている287系

福知山線の北部で見られる223系2両の普通列車

日も西に傾き出した頃、381系4両の「こうのとり」18号が通過

秋深まる山間地帯に国鉄色が程よくマッチします。

再び移動。柿の木を傍らに柏原駅へ進入する「こうのとり」15号

柏原にて223系の普通列車と行き違う381系
こうした光景もあと数日になりました。

2015年10月14日水曜日

紀の国特急381系、最後の勇姿

先日、長年特急「くろしお」の主力車両として親しまれてきた381系
遂に10月30日をもって紀勢本線の定期運用から引退することが発表されました。
最後の月を迎えた381系の活躍をカメラに収めるべく沿線を巡ってみました。

非貫通先頭車を先頭に新宮~三輪崎間の熊野灘沿いを往く「くろしお」28号

西に傾いた日差しの下、紀伊田原付近の国道沿いで新宮行き「くろしお」13号を捉えました。

同じ地点で「くろしお」13号最後尾も撮影

新宮へ最後の走りを見せる「くろしお」13号を新宮~三輪崎の線路沿いでも撮影

夕刻の新宮に到着した381系。折り返しの間こちらも引退が迫るキハ48と並ぶ姿が見られます。

こちらは昼間の新宮の様子。
283系キハ25紀勢本線もJR化後の車両の割合がかなり高まってきています。


先日、国体きっぷを利用し381系「くろしお」3号で最後の乗車を楽しんできました。

白浜のパンダに因んで4号車に設置されたパンダシート
古い車両の反面、観光特急ならではの取り組みが色々と見られました。

途中普通列車で岩代に下車し、しばし撮影
381系引退後、新宮発着の「くろしお」で主に運用される287系が通過

同じ地点で381系も撮影。振り子車両らしく大きく車体を傾けながら走り去って行きました。

田子付近のトンネルの合間に移動して「くろしお」28号を撮影

幾重にも曲がりくねる海岸線と国道42号を横目に走る381系
こうした日常の光景が見れるのもあと僅かです。

2015年9月26日土曜日

海沿いを巡る元荷物電車


前回の山口県の旅の続きで宇部線宇部新川にやって来ました。

昭和18(1943)年まで私鉄(宇部鉄道)だった宇部線の拠点駅である宇部新川
特殊な経緯からか駅舎からも独特の雰囲気が漂います。

この少し変わった駅から乗り込むのも少し変わった電車
乗車する宇部新川始発小野田行きの普通に充当されるのはクモハ123-6という単行電車

先頭部をよく見ると3つの銘板が付いています。
この車両は昭和57(1982)年に荷物電車として製造されたものの、
昭和61(1986)年に旅客車両に改造された知る人ぞ知る変わり種車両だったりします。
当初は阪和(羽衣)線で活躍し、その後宇野線を経て宇部・小野田線に移るという経歴も持ち合わせています。

側面を見ると微妙な扉位置と窓配置がかつて荷物電車として製造された過去を物語ります。

旅客化改造時に他車との併結を考慮して貫通扉が追加されたため、
103系のような角度のついた前面ガラスと貫通扉が組み合わさった独特の表情となっています。

いざ元荷物電車に乗り込み、小野田線の小野田方面と長門本山方面が分岐する雀田で一旦下車

ここから雀田始発の長門本山行きに乗車。こちらも単行列車です。

雀田で乗り換えて約5分で終点の長門本山に到着。車両はクモハ123-4でした。

長門本山は屋根とベンチのみの駅舎に1面1線の乗り場という大変コンパクトな構造

長門本山は岸壁のすぐ近くにあり、周防灘越しに対岸の北九州市の山がうっすらと望めます。

実は長門本山から出る列車は1日3本のみとなっています。
乗ってきた列車は18時37分の宇部新川行き「最終列車」として折り返します。

長門本山発の「最終列車」雀田で40分ほど停車するのでその間に車内を見聞

乗車したクモハ123-4の銘板。
宇部新川から乗車したクモハ123-6とは経歴が多少異なっています。
昭和62(1987)年に荷物電車から旅客車両へ改造され(改造直後は可部線で運用)、
平成3(1991)年に再度改造を受け貫通扉が設置されたそうです。

車内でまず目を引くのが非常に長いロングシートです。
座席のクンション部が一つ一つ独立しているバケットタイプなのも特徴です。
更に採用されている大きな窓も上部が手前に折れ曲がるように開く独特のタイプとなっています。

時間があるので雀田の駅舎も見聞
コンパクトな分岐駅にノスタルジックな雰囲気が漂います。

ここにも西岩国で見かけたような電照式の列車接近案内が設置されていました。

先に発車する小野田からやって来た宇部新川行きの列車を見送ります。
車両は先ほど乗車したクモハ123-6、駅の照明に側面の独特な窓や扉配置が強調されます。

2015年9月24日木曜日

過去の栄光を伝えるモダン駅舎

 シルバーウィークを利用して山口県を旅行してきました。
その道中で立ち寄った岩徳線で保存状態の良いモダンな駅舎を見つけたので紹介します。

この駅は岩徳線西岩国駅で1929(昭和4)年竣工のどっしりとした洋風建築です。
市内にある観光地の錦帯橋をイメージしたアーチデザインのエントランス部が印象的です。

駅頭の解説板。一時期、岩徳線山陽本線の一部として編入されていた経緯が記されています。
当時、西岩国「岩国」と名乗り錦帯橋観光の拠点駅として機能したそうです。 

駅前には地元の方が寄贈した木炭ガス自動車が展示されています。

綺麗に残っている木製ラッチと国鉄時代を思わせる電照式の列車到着案内

駅舎に面した木製のホーム屋根も綺麗に整備されています。

駅舎の傍らには観光地の最寄り駅らしく臨時の改札口がそのまま残されています。

 駅構内側に回り込むと赤丹色をした瓦がよく目立ちます。

跨線橋も昔の造りを留めています。財産標には1934(昭和9)年築とありました。

 駅構内を見てみると一部線路は撤去されていますが、
非常に長いプラットホームがかつて山陽本線として機能した面影を現代に伝えています。

 タラコ色をした岩徳線キハ40が1両で入線してきました。
かつて繁栄した本線駅は今ではゆっくりとした時を歩んでいるように感じました。