前回の山口県の旅の続きで宇部線の宇部新川にやって来ました。
昭和18(1943)年まで私鉄(宇部鉄道)だった宇部線の拠点駅である宇部新川
特殊な経緯からか駅舎からも独特の雰囲気が漂います。
この少し変わった駅から乗り込むのも少し変わった電車
乗車する宇部新川始発小野田行きの普通に充当されるのはクモハ123-6という単行電車
先頭部をよく見ると3つの銘板が付いています。
この車両は昭和57(1982)年に荷物電車として製造されたものの、
昭和61(1986)年に旅客車両に改造された知る人ぞ知る変わり種車両だったりします。
昭和61(1986)年に旅客車両に改造された知る人ぞ知る変わり種車両だったりします。
当初は阪和(羽衣)線で活躍し、その後宇野線を経て宇部・小野田線に移るという経歴も持ち合わせています。
側面を見ると微妙な扉位置と窓配置がかつて荷物電車として製造された過去を物語ります。
旅客化改造時に他車との併結を考慮して貫通扉が追加されたため、
103系のような角度のついた前面ガラスと貫通扉が組み合わさった独特の表情となっています。
いざ元荷物電車に乗り込み、小野田線の小野田方面と長門本山方面が分岐する雀田で一旦下車
ここから雀田始発の長門本山行きに乗車。こちらも単行列車です。
雀田で乗り換えて約5分で終点の長門本山に到着。車両はクモハ123-4でした。
長門本山は屋根とベンチのみの駅舎に1面1線の乗り場という大変コンパクトな構造
長門本山は岸壁のすぐ近くにあり、周防灘越しに対岸の北九州市の山がうっすらと望めます。
実は長門本山から出る列車は1日3本のみとなっています。
乗ってきた列車は18時37分の宇部新川行き「最終列車」として折り返します。
長門本山発の「最終列車」は雀田で40分ほど停車するのでその間に車内を見聞
乗車したクモハ123-4の銘板。
宇部新川から乗車したクモハ123-6とは経歴が多少異なっています。
昭和62(1987)年に荷物電車から旅客車両へ改造され(改造直後は可部線で運用)、
平成3(1991)年に再度改造を受け貫通扉が設置されたそうです。
車内でまず目を引くのが非常に長いロングシートです。
座席のクンション部が一つ一つ独立しているバケットタイプなのも特徴です。
更に採用されている大きな窓も上部が手前に折れ曲がるように開く独特のタイプとなっています。
時間があるので雀田の駅舎も見聞
コンパクトな分岐駅にノスタルジックな雰囲気が漂います。
ここにも西岩国で見かけたような電照式の列車接近案内が設置されていました。
先に発車する小野田からやって来た宇部新川行きの列車を見送ります。
車両は先ほど乗車したクモハ123-6、駅の照明に側面の独特な窓や扉配置が強調されます。