2017年8月26日土曜日

「白鐵仔」6両で堂々の快走

8月12日、早朝の台湾鉄道西部幹線左營駅に降り立ちました。
ここである列車を待つことにします。

そのある列車とは台湾の鉄道趣味団体がチャーターしたDR2700型です。
かつては優等列車「光華号」で活躍したステンレス車体の気動車で、
登場から50年以上が経過した車両ですが、今でも現地の鉄道ファンに大変親しまれている車両です。

連続するコルゲート加工の車体が時代を感じさせます。

ステンレス無塗装が特徴のDR2700型
そのスタイルから現地のファンから「白鐵仔」の愛称で呼ばれています。

左營から高鐵で一気に新竹まで先回りし市内の陸橋から2度目の撮影。
白鐵仔の通過前に最新鋭のEMU800型が通過しました。

それぞれの車両の屋根に大きく出っ張った装置が見えますが、
実はこの出っ張りは冷房装置ではなくエンジン系統のラジエータだそうで、
乗客達は各々窓を開けて自然の風で暑さを凌いでいます。

高雄から新竹まで走った白鐵仔は一旦内湾線に入り、再び新竹に戻ってきます。

新竹駅構内に入線する白鐵仔
車体妻面まで巡らされたコルゲート模様や縦に長い折戸が見て取れます。

新竹で白鐵仔が給油している間に区間車で崎頂駅へ向かいます。

崎頂駅構内の跨線橋から風力発電の風車をバックに西部幹線の列車を撮影できます。

給油に時間がかかったのか事前情報より約1時間遅く銀色の車体が現れました。
西に傾いた陽を浴びながら白鐵仔が終点高雄を目指して走り去っていきました。

2017年8月2日水曜日

38年目を迎えたSLやまぐち号

田んぼが広がる山口線の宮野〜仁保間で2両のディーゼルカーを撮影。
SLやまぐち号の夏の運転が始まった7月22日、熱いSLの走りを撮るべく山口線沿線を訪ねてみました。

同じく宮野〜仁保のポイントでSLやまぐち号を撮影。
補機無しで5両満員の客車を引くC57 1はなかなかの迫力。

下りのやまぐち号はゆったりしたダイヤのため徳佐のポイントにも簡単に先回り出来た。
緑色の稲との組み合わせでやまぐち号のコントラストが際立つ。

津和野やまぐち号が折り返す間に津和野町内でスーパーおきを撮影。

津和野で折り返しを待つやまぐち号客車
JR西日本12系客車をレトロ風に改造して30年近く使われた客車だが、
今年後継の客車が新造されこの客車は今年で見納めの予定。

津和野~船平山間を走る復路のやまぐち号を俯瞰で撮影。

朱色の瓦が目立つ津和野の家々とSL列車の組み合わせ。

渡川~長門峡間に架かる国道9号線の陸橋より撮影。
次第に日が傾いてきてSLの表情も変わってくる。

最初に訪れた宮野〜仁保間の撮影地に戻り、
迫りくるC57 1を正面から捉える。

終点の新山口目指して軽やかに勾配を下っていくやまぐち号


この日の朝、撮影に出かける前に新山口駅に隣接した車両基地を訪れてみました。
留置線には9月からやまぐち号として運行される新造客車が留置されていました。

新造客車は国鉄の旧型客車を再現して造られたため、
現行のやまぐち号よりもレトロなデザインになっています。

この日はまだ試運転期間のため負荷テスト用の水タンクが展望デッキに設置されていました。

2017年6月17日土曜日

台湾の大地を駆けるD51

台湾では6月9日が清朝時代に鉄道建設計画が開始された日として鐵路節という記念日になっています。
今年は鐵路節130周年という節目の年にあたり、
それに合わせて台湾各地で鉄道イベントが開催されました。

では今年は日本のD51と同型のDT668蒸気機関車が走ると聞いて中部の彰化にやってきました。

早朝に台北を出る萌餐車付きの莒光号「自由行」彰化に到着。(一般発売席利用)

彰化のホームに出ると今回運転されるDT668蒸気機関車が客車を牽いてスタンバイしています。

DT668牽引の特別ツアー列車が彰化のホームに入線する様子。
SLの運転を一目見ようと大勢の人が詰めかけています。

ホームにつき出発を待つDT668蒸気機関車
全体の風貌はD51そのものですが、
前照灯の形状やカウキャッチャーの装備など台湾独自の差異も見て取れます。

滅多にない営業運転の機会に合わせ車体全体がピカピカに整備されています。

客車の行き先案内には貸切列車を示す「專列」の文字。

最後尾には補助機関車としてE400が付いています。

彰化を発車するツアー列車。
これから竹南まで西部幹線海線と呼ばれる区間を北上します。

再度ツアー列車を撮影すべく区間車台中港駅に先回り。

台中港駅はその名の由来となった台中港からの貨物輸送の拠点駅となっていて、
構内にはホッパー貨車が数多く留置されています。

駅で見かけた鐵路節130週年を祝う横断幕。

駅から15分ほど歩いて稲穂が実る田園地帯にやって来ました。

何やら田んぼのあぜ道に大勢並んでいます。

道路にもカメラの砲列が光ります。

いよいよDT668がやって来ました。
線路沿いの道路からも皆思い思いにカメラを向けています。

台湾の鉄道趣味の熱さを体験する撮影となりました。

大勢の人々に見送られて走り去るDT668

撮影後、駅の近くにある陸橋へ
この線路は台中港駅から港に伸びる貨物線で手前の腕木式信号機は今でも現役で使われています。

この日は鉄道ファンで賑わいましたが、台中港のメインは貨物輸送。
また平日に訪れる機会があれば貨物扱いも記録したいところです。

2017年6月10日土曜日

台湾南部に残る客車鈍行③

太麻里での撮影を終えて宿泊地の高雄へと向かいます。

乗車するのは枋寮行きの3672次普快車
機関車は替わっていますが、先程撮影した3671次普快車台東で折り返してきた列車です。

枋寮まで約1時間半、旧型客車の旅が始まります。

車内はレザー張りの回転クロスシートが並びます。
冷房装置は装備されていないので扇風機と窓を開けて暑さをしのぎます。

乗降ドアは手動のため開けっ放しのところも

機関車の次位に連結された客車からは力強いエンジン音をあげる機関車を間近に見ることが出来ます。

トンネルに入ると機関車のエンジン音が一際響きます。

走行中、窓からは涼しい風と雄大な景色が飛び込んできます。

太平洋を眺めながら列車は西へと進みます。

スマホで駅に停車する様子を動画に収めてみました。

18時20分に終点の枋寮に到着。
すぐさま機関車は客車を切り離し、入換作業に入ります。

機関車は転線し構内の転車台で向きを変え、翌日の運転に備えます。

枋寮構内を撮影している間に見つけた可愛らしい保線車両。
18時27分発の台中行き自強号で夕刻の枋寮を後にしました。