2016年11月4日金曜日

工場地帯の動く重要文化財

先月、関西本線四日市から自転車で10分程の工場街にある現役の可動橋、末広橋梁を訪ねました。

自転車で向かう途中、運河越しに末広橋梁を認めた時は橋は上がった状態でしたが、
列車の通過が近づき橋は次第に橋桁を下ろした状態に

末広橋梁を望むポイントとなる臨港橋(道路橋)も可動橋で鉄道踏切と同じ警報機と遮断機を備えています。
通常は普通の橋と同様に通行でき、運河を船が通るときのみ道路交通を止め橋桁を持ち上げる仕組みです。

臨港橋から望む末広橋梁
列車通過が迫り既に橋桁が完全に下りて線路が開通しています。

いよいよ列車がやって来ました。
太平洋セメントの製品を積んだ三岐鉄道からの貨物列車がゆっくりと末広橋梁に差し掛かります。

非常にゆっくりと橋梁を通過していくDD51 892とセメント貨物。
運河を越えて太平洋セメントの出荷センターへ向かいます。

末広橋梁を渡った後のセメント貨物を少し追いかけてみました。
行ってみると埋立地の引込線の端でセメント貨物は既に停車。

セメント貨物を牽引してきたDD51が列車を離れ、隣の線路で後方に回ります。

DD51が退いたと同時に太平洋セメントの出荷センターから空の貨車を引いた機関車が現れました。

セメント会社所有の赤い機関車で空の貨車が素早く入って来ます。

DD51が空の貨車を連結し、太平洋セメントの工場がある三岐鉄道へと送り返します。

空の貨車を引いて来た赤い機関車、今度はセメントを積んだ貨車を引いて出荷センターへ向かいます。

貨車と共に全力で走り去る係員。可動橋と踏切操作を担当しています。

DD51が空の貨車を引いて通過した直後の末広橋梁に戻ってきました。

係員が手前の白い小屋に入り操作を行うと橋桁の上昇がスタート

踏切の音に似た警報音と共に橋桁が上がり、それに連れて鉄の重りが下りていきます。

完全に橋桁が上昇し動作を終えた末広橋梁
こうして見ると鉄の重りが万が一の際に車止めの役割を果たすようにも思えます。

ちなみに末広橋梁は国から重要文化財に指定されており、
地味な工場街ながらしっかりとした説明板も設置されています。