2017年6月17日土曜日

台湾の大地を駆けるD51

台湾では6月9日が清朝時代に鉄道建設計画が開始された日として鐵路節という記念日になっています。
今年は鐵路節130周年という節目の年にあたり、
それに合わせて台湾各地で鉄道イベントが開催されました。

では今年は日本のD51と同型のDT668蒸気機関車が走ると聞いて中部の彰化にやってきました。

早朝に台北を出る萌餐車付きの莒光号「自由行」彰化に到着。(一般発売席利用)

彰化のホームに出ると今回運転されるDT668蒸気機関車が客車を牽いてスタンバイしています。

DT668牽引の特別ツアー列車が彰化のホームに入線する様子。
SLの運転を一目見ようと大勢の人が詰めかけています。

ホームにつき出発を待つDT668蒸気機関車
全体の風貌はD51そのものですが、
前照灯の形状やカウキャッチャーの装備など台湾独自の差異も見て取れます。

滅多にない営業運転の機会に合わせ車体全体がピカピカに整備されています。

客車の行き先案内には貸切列車を示す「專列」の文字。

最後尾には補助機関車としてE400が付いています。

彰化を発車するツアー列車。
これから竹南まで西部幹線海線と呼ばれる区間を北上します。

再度ツアー列車を撮影すべく区間車台中港駅に先回り。

台中港駅はその名の由来となった台中港からの貨物輸送の拠点駅となっていて、
構内にはホッパー貨車が数多く留置されています。

駅で見かけた鐵路節130週年を祝う横断幕。

駅から15分ほど歩いて稲穂が実る田園地帯にやって来ました。

何やら田んぼのあぜ道に大勢並んでいます。

道路にもカメラの砲列が光ります。

いよいよDT668がやって来ました。
線路沿いの道路からも皆思い思いにカメラを向けています。

台湾の鉄道趣味の熱さを体験する撮影となりました。

大勢の人々に見送られて走り去るDT668

撮影後、駅の近くにある陸橋へ
この線路は台中港駅から港に伸びる貨物線で手前の腕木式信号機は今でも現役で使われています。

この日は鉄道ファンで賑わいましたが、台中港のメインは貨物輸送。
また平日に訪れる機会があれば貨物扱いも記録したいところです。

2017年6月10日土曜日

台湾南部に残る客車鈍行③

太麻里での撮影を終えて宿泊地の高雄へと向かいます。

乗車するのは枋寮行きの3672次普快車
機関車は替わっていますが、先程撮影した3671次普快車台東で折り返してきた列車です。

枋寮まで約1時間半、旧型客車の旅が始まります。

車内はレザー張りの回転クロスシートが並びます。
冷房装置は装備されていないので扇風機と窓を開けて暑さをしのぎます。

乗降ドアは手動のため開けっ放しのところも

機関車の次位に連結された客車からは力強いエンジン音をあげる機関車を間近に見ることが出来ます。

トンネルに入ると機関車のエンジン音が一際響きます。

走行中、窓からは涼しい風と雄大な景色が飛び込んできます。

太平洋を眺めながら列車は西へと進みます。

スマホで駅に停車する様子を動画に収めてみました。

18時20分に終点の枋寮に到着。
すぐさま機関車は客車を切り離し、入換作業に入ります。

機関車は転線し構内の転車台で向きを変え、翌日の運転に備えます。

枋寮構内を撮影している間に見つけた可愛らしい保線車両。
18時27分発の台中行き自強号で夕刻の枋寮を後にしました。

2017年6月3日土曜日

台湾南部に残る客車鈍行②

南州から莒光号に乗り1時間半ほどかけ台東県の太麻里にやって来ました。

太麻里は台湾東海岸の農村。駅前に立つと大きく太平洋が開けます。

駅からほど近い踏切で撮影開始。最初に撮れたのは花蓮行きの307次自強号

なお太麻里の台東方は曲線になっており、長編成の列車が弧を描いて進む姿が見られます。

続いてこの区間の注目列車、旧型客車を使用した台東行き3671次普快車がやって来ました。

訪れた日は藍色R100型機関車に客車全てが日本製という整った編成でした。

若干雨模様の天気ですか、列車は観光客で盛況の様でした。

普快車が出た後に雨が本降りになってきました。
視界が悪くなる中、莒光号同士の交換風景を撮影。

太麻里で行き違いをし、台東方面へ出発した莒光号「自由行」というツアー列車。

カラフルな客車を繋いだ莒光号「自由行」には「萌餐車」と言われる食堂車も連結されていました。

台東から新左營行きの314次自強号DR3100型がやって来ました。

12両の長編成をくねらせて太麻里の待避線に入ります。

新左營始発の311次自強号が現れて314次と交換し台東へ向けて発車。

雨が完全に止んだので少し撮影場所を変えて撮影。
農家の屋根に集まったシラサギの背後にディーゼル音を響かせて自強号が現れる。

黄緑色の葉を付けたこの地特産の果実、バンレイシ(釈迦頭)の畑を臨みながら
DR3000型自強号が走り抜けます。

最後は再び踏切に戻り、彰化行き754次莒光号を撮影。
ディーゼル牽引の莒光号もこの区間ならではの光景です。