2016年9月18日日曜日

台湾に足跡を残した汽車達

毎度お馴染み鉄の発車ベルが鳴り響く台湾鉄路台北駅に何やらカラフルな列車が入線
旅の冒頭、以前七堵の車両基地で目撃した観光列車の食堂車との再会を果たしました。

かわいいイラストの食堂車との出会いは束の間、今回は台北から自強号に乗り一路南へ
写真は朝ごはんの電車形おにぎりと豆漿(豆乳)

乗車した109次自強号は数少ないEMU300型による運転
速達列車ながら吊り掛け駆動のサウンドが楽しめる珍しい列車です。

銘板を見るとイタリアのミラノにあるSOCIMI社で製造されたと分かります。

109次自強号は今回の目的地には停車しないため、新竹で後続の自強号に乗り換えます。

台北から2時間弱でいよいよ目的地の苗栗に到着。
駅に隣接して車両が留置されてるスペースが見えます。

「歡迎光臨」の看板を頼りに駅を出て線路伝いに進みます。

大きな屋根が見えてくると程なくして苗栗鉄路車輛文物展示館にたどり着きます。
ここは台湾発展に貢献した鉄道車両を静態保存しその姿を今に伝える施設です。

鉄道部品で造られた2体の台鉄戦士が入り口で出迎えてくれます。
なお展示車両は多数あり全てを紹介しきれないので特に印象に残ったものを取り上げます。

最初に目に入るのが1918年(大正7年)製のCT152
日本の8620形と同じタイプですが、今日京都鉄道博物館で見られる8630号機には無い
デフレクターや台湾独特の排障器が取り付けられています。

一部異なってる点もありますが、運転台前方の窓の形からも8620形の面影が垣間見えます。

阿里山森林鉄路28号シェイ式蒸気機関車

この機関車は所謂ギアードロコの一種で通常の蒸気機関車で見られるロッドではなく、
シャフトと傘型の歯車で動力を車輪に伝えるという世界的にも珍しい機関車です。

阿里山森林鉄路ではこの機関車の同型機が今も動態保存されているらしく、
その動く姿もいつか見てみたいものです。

こちらは台鉄で活躍したDT561蒸気機関車

かなりガッシリとした車体が特徴ですが、
大正時代に貨物用として製造されたアメリカ製の機関車です。

この外国風の機関車は戦後台鉄日立製作所が納入した電気式ディーゼル機関車です。

日立の機関車の背後にこの夏導入されたばかりのEMU800型増備車を捉えました。

留置場所の関係で全体は撮影できませんでしたが、木造客車も展示されていました。

なお、展示館の隣には台鉄の保線関係の庁舎が建っています。

「安全第一」はこちらでも共通語のようです。

非公開でしたが、「投煤練習場」なる建物もありました。
かつてこの場所には苗栗機関区があったそうなのでその名残かもしれません。

サトウキビ畑と製糖工場を結ぶ台湾糖業鉄道のナロー蒸気機関車
日本車輌製造製でボイラー上のドームに日車のマークが取り付けられています。

 まるで絵本に出てきそうな風体のガソリンカー
台湾糖業鉄道の巡回業務用車両として活躍していました。

台湾東海岸の台東線でナローゲージ時代に活躍していた気動車も展示されていました。

今回訪れている中で目にしたのが、やはり地元の子供連れの方々、
この展示館は入場無料とあって公園のような役割も果たしているスポットでした。