2016年3月24日木曜日

台湾唯一の扇形車庫

先日、台湾中部の彰化を訪れてきました。
彰化は中部の主要都市として国鉄の自強号(特急)により台北2時間半程で結ばれています。

彰化駅のホームに降り立つとホームの脇には広大な留置線が広がっていました。
留置線には彰化以北で自強号に使われるEMU300型の姿が

他にも日本ではほぼ見られなくなった車掌車付きの貨物列車も留置されていました。

駅の留置線も見どころが数知れずありますが、
本来の目的地へと向かうべく駅を出て地下通路で駅裏に回ります。

到着したのが台湾鉄路局彰化機務段、台湾国鉄の機関区です。
ここでは受付でパスポートを提示し氏名を記帳すれば、
現役の機関区にも関わらず構内を見学出来る大変素晴らしいスポットです。

構内に入り建物に挟まれた通路を進んでいくと早速3両のディーゼル機関車がお出迎え
3両とも元GM傘下のEMDによって製造された如何にもアメリカンスタイルな機関車。

アメリカンスタイルの機関車と並んで構内には見覚えのある黒い機関車の姿が

この日、彰化で目にしたのはCK124DT668の2両の蒸気機関車。
CK124は日本のC12形DT668D51形がベースとなっている戦前に導入された蒸気機関車で、
現在両機とも動態保存車としてイベント列車の牽引等で活躍しています。

動態保存の機関車と同様に彰化の目玉となっているのがこの転車台扇形車庫です。
機関車がまだ数多く活躍する台湾でもここが現存する最後の扇形車庫とのことです。

扇形車庫は日本統治期の1922年(大正11年)の完成で
日本型の蒸気機関車との組み合わせがしっくり来ます。

構内には見学者用の展望デッキまで設置されています。
所狭しと機関車が留置された構内や時折機関車入換の様子も上から観察出来ます。

構内でSL以外にもう1両日本製の車両を見つけました。
新潟鐵工所製のディーゼル機関車DHL100型です。体裁がDE10形とよく似ています。

留置されている機関車の車輪にはめられていた赤旗が付いた手歯止め。
日本の移動禁止合図に相当するものでしょうか。

構内の片隅には木造詰所と有蓋貨車が並んだゾーンが
車体に書かれた文字から車両メンテナンスの機材を載せた車両のようです。

西部幹線の線路沿いには大分傷んではいるものの木造2階建ての詰所が残っていました。
こうした建物を見かけると、もしや日本時代からあったのではと色々想像が膨らみます。

車庫のそばを普悠瑪(プユマ)自強号が通過する一コマ。
平日(今回訪れたのは金曜)だと比較的来場者も少なめでゆっくり見学できるので
訪台時に余裕のある方はぜひ行ってみては如何でしょうか。(月曜は見学停止日です)