2011年5月17日火曜日

福岡の旅~筑豊本線編~

  福岡に一泊して翌5月6日。この日は福岡市周辺のローカル線を乗りつぶす予定で博多駅を出発し、原田駅にやって来ました。
原田駅は鹿児島本線から筑豊本線が分岐している駅です。ちなみに原田駅は「はるだ」という独特の読み方をする駅で他にも新田原→「しんでんばる」など「原」を「はら」と読まず九州独自の読み方をする駅が九州各地に点在しています。

原田から筑豊本線のキハ31形に乗り込みました。当初は筑豊本線に乗るのは桂川までとし、その後は香椎線に乗る予定でした。
しかし、冷水トンネルなどかつての石炭輸送の設備に惹かれて筑豊本線の全区間乗ってみることにしました。キハ31形は途中の桂川までで、桂川からは電化区間となり817系に乗り換えました。

桂川-直方間の各所に残っている炭坑からの貨物線の跡を眺めつつ折尾に到着。折尾は鹿児島本線と筑豊本線の交差駅で昔ながらの趣ある駅舎が迎えてくれます。

折尾は駅舎だけではなく駅構内も見所で、大正時代に整備されたと思われる鹿児島本線下の煉瓦積みの通路や階段など至る所にこの路線の歴史の古さを感じさせます。

折尾駅近くには鹿児島本線から筑豊本線に入る短絡線があり、折尾駅鷹見口という乗り場も整備されています。その短絡線の脇に煉瓦造りのトンネルを見つけました。これはかつて北九州市内各地に路線があった西鉄の路面電車(西鉄北九州線)が筑豊本線の短絡線を跨ぐために建設した高架線の跡です。こうした以降もかつてこの地域が石炭産業で大いに栄えた名残を感じさせてくれます。

筑豊本線の電化区間は折尾で途切れ、折尾から起点の若松までは再び気動車のお世話になります。

筑豊本線の起点の若松は北九州市の臨海部に位置しています。かつてこの駅には大規模な操車場があり、筑豊地方で産出された石炭の積み出し拠点として機能していました。石炭産業が隆盛を極めた昭和10年代には貨物取り扱い全国1位を記録した時期もありました。

今では貨物の取り扱いは全く無く、操車場の敷地のほとんどが民間に売却されてしまっていますが、駅前の広大な広場とそこに展示されている9600形蒸気機関車(19633)がかつての繁栄を今に伝えています。